紙に印刷した文字の文化を尊ぶ 文章教室と自費出版の明眸社

歳月の贈り物― マリッサの思い出

 この頃はコロナ禍の為に蟄居しているせいか、過ぎし昔などを思い出すことがとても多い。カレンダーの日付けにはそれぞれに思い出が沢山詰まっている。その思い出と草花は意外にも自分の中で結びついている。例えば次男の生まれた日と病院の窓から見えた藤棚 …

しずかの手抜きレシピ

しずかの手抜きレシピ

 料理の事ならかなりなんでも書けそうな気がしてきた。今回は主に材料別に書いてみようと思う。我家で大活躍のトマト、玉葱、白菜だ。 トマト  私は一年中冷蔵庫にトマトをきらさない。冬場は値段も高いので一回に一つか二つしか買わないが、それでもトマ …

思想家寒河江淳二の誕生!   『樹下聴風の記』を読んで 

思想家寒河江淳二の誕生!   『樹下聴風の記』を読んで 

巨大ワニ寒河江淳二  寒河江淳二さんの『樹下聴風の記』がこの度刊行された。縁あって私の出版社から発行して頂き、約半年近くを費やしてこの作品集に向き合うことが出来たことを改めて大変にありがたい事だったと思っている。  以下は昨日フェイスブック …

しずかの賄い飯

しずかの賄い飯

 私は今長男一家と同居している。長男には子供が四人。私は炊事当番をかれこれ十年やっている。家族全員の食事を作るのだが、昼は大体五人分、夜は八人分だ。買物は長男が行く。費用は人数割りで負担する。メニューは週に二回作り、買い物リストもそれに伴っ …

福島の小児甲状腺がんの裁判

福島の小児甲状腺がんの裁判

はじめに  今、福島の若者六人が小児甲状腺がんの原因を巡って裁判闘争をしている。世の中の動きは原告の主張を否定し、被告の東京電力を擁護する方向に動いている様にみえる。  エッセイの会のMさんはこの事態に際して「しあわせになるための『福島差別 …

枇杷の実   芦川悦子歌集解説

枇杷の実 芦川悦子歌集解説

この歌集は長いタイムスパンの歌集である。私はこの度の出版にあたり微力ながら編集のお手伝いをさせて頂いた。芦川悦子さんが短歌を書き始めたのは一九九一(平成三)年で、すでに約三十年が経過している。第一歌集なのでやや多めであるが、五二四首を収めた …

高円寺の茶房ネルケン

高円寺の茶房ネルケン

 どういう風の吹きまわしか、私の所へ角川短歌から歌七首の依頼があった。一体何を詠ったら良いのか、考えてみた。丁度このごろ私のアタマの中でときおりカランとカウベルの音が聴こえることがある。それは茶房ネルケンのドアに付いていたカウベルではなかろ …

間鍋三和子歌集を読んで

間鍋三和子歌集を読んで

 最近、間鍋三和子歌集『流れる雲』(二〇二一年刊 第七歌集・不識書院刊)を読み、歌集の、そして短歌の一つの方向性を見出す思いがした。短歌を詠むとは一体何なのか。それが明確でないと自分にとっての作歌の継続は難しいような気がしている。すこしテー …

目黒・行人

目黒・行人

 十二月一日に「聖書百週間」があった。いつも目黒の駅から大岡山小学校行きのバスに乗って、碑文谷にあるサレジオ教会へ水曜日ごとに(第三水曜日以外)通っている。いつもこのコースである。九月に通い始めたのだがこの往還が楽しい。  まずバスは次々と …

迂回路の恵み

迂回路の恵み―出エジプト記と私の信仰                    私はカトリック碑文谷教会(東京都目黒区)にて「聖書百週間」の奉仕者をさせて頂いております。今読んでいるのは出エジプト記です。紀元前十三世紀頃の出来事を伝えています。 …