紙に印刷した文字の文化を尊ぶ 文章教室と自費出版の明眸社

創世記を読む

旧約聖書をまた昨秋から読み始めている。私にとって旧約の世界はどこか親しみがもてる世界である。神話的であったり、歴史について語っているところも因果応報の思想が露わにでてきたり、そうかと思うと、因果応報を否定するヨブ記のような所があったりする。 …

二つの微笑み

それはいかなる世界から来たのだろうか。 今ヨハネの手紙Ⅰを読んでいるところだ。ヨハネの福音書(紀元八〇年頃)が書かれて程なくこのヨハネの手紙は書かれた。(九五~百年頃)教会内の福音書理解に誤謬が生じ、異端の考え方が教会を席巻した。この手紙は …

不思議な喩え話

不思議な喩え話

「私はこの最後の人にもおなじように支払いたいのだ」 夜の静寂の中にいまバッハのチェロソナタが響いている。無伴奏チェロ組曲はサラバンドやジーグという舞踊の曲で構成されているが、私にはまるで夜の中へどこまでも流れてゆく川のような気がする。一日の …

パウロ書簡

パウロ書簡

使徒パウロなくして今のキリスト教はなかったという人が多い。そのことを心においてパウロの書き残した書簡について、そして一体パウロとはいかなる人物だったのかを書いてみたいと思い立った。あまりに無謀な試みかもしれないのだが。 パウロはキリストの死 …

ヌンの子ヨシュア とカナン入国 推敲版

旧約聖書の登場人物の中で一番好きな人はと聞かれたら、やはり私はヌンの子ヨシュアが好きだと答える。「ヌンの子ヨシュア」と聞いただけで嬉しくなってしまう。あのダビデをはじめ、旧約聖書全巻を通し、神に愛され祝福されたと記されている人々は沢山いる。 …

バビロン捕囚と預言者(2)

バビロン捕囚と預言者(2)

思いのほか暑かった今年の夏、私は聖書を読みながら、この地上を歩きまわる預言者達に思いを馳せて過ごした。その陽に灼けた褐色の頬がありありと目に浮かび、彼らの運命を、召命に答えようとする一途さを、信仰の揺るぎなさを思わずにはいられなかった。 あ …

バビロン捕囚と預言者(1)

旧約聖書を読み続けているうちに、私は一つの重要なことに気づいた。それは、イスラエルの民にとって、「バビロン捕囚」という出来事は他の様々な歴史上の出来事とは画然と区別されるべき出来事であったことだ。それは一つの国の恐るべき終焉を意味し、旧約聖 …

ヤコブの人生

ヤコブの人生

旧約聖書の世界で大きな存在感をもっているヤコブ。狡猾な駆け引きや裏切りをしたヤコブは人々から好かれているとは言いがたいが、しかしその人間臭さゆえに神話的な創世記の登場人物では際立っている。私はヤコブのことはやはり気になる。なによりもあんなに …

アブラハムのイサク奉献

旧約聖書を初めから読んでゆき、やっとリアルな人物像に出会ったと思うのがアブラハムである。  その生涯は、あらまし次の様に書かれている。  父親テラには、アブラハムの他に二人の息子が生まれた。末の息子にはロトが生まれたが、父より先に、ロトを遺 …

エマオへの旅

聖書を最初から最後まで三年半かかって読み通すという講座「聖書百週間」に通い始め、二回目ももうすぐ終わる。二回目は奉仕者コースというコースで、このコースを終えると色々な教会へ派遣されて講座を受け持つことになる。私はそんなだいそれたことは出来な …